転職の面接であがってしまいます。自分の良さを伝えるにはどうすればいいでしょう?
角田陽一郎×加藤昌治【あんちょこ通信】第12回
■はじめから本命を受けなくてもいいのでは?
加藤:話を質問に戻すと、この方は1社目の面談の後で質問をしてきてくれていますが、「あんちょこ」っぽく云うとさ、自分が「いいな」と思っている会社にいきなり行かなくてもいいのでは? という回答もあるかな。相手には失礼だけど、練習試合的に面接の順番を選んでも好いかも。
角田:本命の国立大学の受験前に、練習で私立大学の試験も受けてみる、みたいな話だね。新卒の選考だとそういうことをする人は多いだろうけれど、転職だと試し打ちみたいなことはあまりしないかもね。
加藤:そういうロールプレイ的な面接練習サービスがあってもいいよね。
自分で主導権を持つことができれば、話を進めるうちに「違うな」と感じたらこちらから断れるようになるのだし、そのぐらいの気持ちで面接に臨んでもいいのでは? 1社目の結果が出る前に2社目を受けちゃいけないということもないわけでし、いくつかの選択肢を持ってもいい。少し自分に引き寄せてもいい気がするな。
角田:さらに言うと、仮に「面接、うまく行かなかったな……」と反省するような出来でも採用に至った会社があったとしたら、「今回は上手く行った!」と思えて受かった会社より自分にとっていい会社かもね。つまり自分の能力のうち、アベレージを超えた部分が認められるより、たまたまアベレージが出ていなくても雇ってくれた会社のほうが居心地良さそうに思えるな。
加藤:角田くんが云うように、完璧じゃない自分が出た時でも「それでいい」と云ってくれるところのほうが相性いいかもね。そういう会社のほうが、表面的なガワじゃなくてポテンシャルを見てくれている感じもする。面接官の側も、ある程度経験のある人事の人は、「ちょっと盛ってるな」って分かるだろうから、あまり自分に嘘をつかないほうがいいし、たとえ面接の出来が悪くても、それで落とされた時には「失敗した」じゃなくて「縁が無かった」と思うくらいがいいのかもね。
この質問者の方は「入社してから落胆されないように面接も自然体でいこうと思った」とのことだけど、その方向は間違っていないと思う。後はカードの数と場数、そして順番ですかね。
構成:甲斐荘秀生